本格的なホームジムを作るために、どうしても揃えたくなるのが通称「オリシャ」と呼ばれる「オリンピックバーベルセット」=「オリンピックシャフト」と「オリンピックプレート」です。
バーベルの規格の種類を解説するとともに、筆者の運営するジムで実際に使用しているオリンピックバーベルセット(ONIシャフト+GLFITプレート)やその他のおすすめメーカー製セットをご紹介します。
■バーベルって何?
バーベルとはウエイトリフティングやパワーリフティングの競技で用いられる「重り」のことで、バーの部分であるシャフトとウエイトの部分であるプレートに分けられます。そして、シャフトに任意のプレートをセットすることで自由に重さを変えることが可能です。
■バーベルの構造
●バーはシャフトとスリーブで構成される
こちらが、バーベルのバーに当る部分ですが、両端の重りを取り付ける部分である「スリーブ」と手で握る部分である「シャフト」から構成されています。
こちらがスリーブ部分の拡大画像です。
●シャフトにプレートをつける
バーベルの「スリーブ」に取りつけるウエイトが「プレート」と呼ばれるもので、鉄に塗装をしたアイアンプレートとラバーコーティングがされたラバープレートとがあります。
また、プレートの重さは、1.25kg・2.50kg・5.0kg・10.0kg・15.0kg・20.0kg・25.0kgが一般的で、実際に使用する時は左右のスリーブに同じものを装着しますので、2.5kgきざみでバーベルの重量が設定されます。
※このほかにも、0.5kgや7.5kgといったサイズもあります。
なお、筆者のジムで実際に使用しているGLFITプレートには1.25kg・2.50kg・5.0kg・10.0kg・15.0kg・20.0kgのほか、下記写真のような0.25kgと0.5kgのミニプレートもあり、シビアな重量調整に非常に便利です。
紫のプレートが0.5kg、ピンクのプレートが0.25kgです。
●プレートをカラーでとめる
万が一、挙上の途中でバーベルが傾いてしまってもプレートが落下しないように防ぐための部品が「カラー」と呼ばれる留め具です。これには多くの種類があり、クリップ式の簡易的なものから、写真のような競技用にウエイトの一部として計算される2.5kgに作られたものまであります。
なお、筆者のジムでは、こちらのプラスティック製ワンタッチカラーを使用しており、素早いプレートの固定が可能なためたいへん重宝しています。なお、重量は140gですが、トレーニング時には重量としては換算していません。
■バーベルの種類とは?
バーベルにはプレートを取りつける部分であるスリーブがありますが、これには2種類の太さがあります。一つは直径50mmのもので、五輪競技のウエイトリフティングに用いられることから「オリンピックシャフト」と呼ばれています。また、パワーリフティング競技においても同様のシャフトが用いられます。
もう一つの種類は直径28mmのもので、主に小規模なジムやホームジムで使用されています。
50mmシャフトはスリーブが回転式となっており、バーベルの挙上動作がスムーズなのがメリットですが、価格が高いというデメリットがあります。
28mmシャフトはスリーブはただのバーになっているためプレートが回転せず、バーベルの挙上にやや引っ掛かりを感じるデメリットがある反面、オリンピックシャフト・プレートに比べて約半分以下の費用で揃えることができます。
■おすすめバーベルセット
国内で一般的に入手できるバーベルには以下のようなメーカー製のものがあります。
ELEIKO
IVANKO
BULL
ONI(GLFIT)
ーーーーーー
BODY MAKER
IROTEC
WILDFIT
FightingRoad
「ーーー」で区切ってありますが、点線より上が会社の福利厚生施設・学校・公共ジム・大手ジムなどで一般的に使われるメーカー品で、不特定多数の人による高い使用頻度でも問題ないタイプです。
また、パワーリフティングの公式競技にも使用可能な規格品になります。
ですので、公的な場所に設置するのであれば、点線より上のメーカから選択するのが一般的な判断です。
なお、筆者の個人的な意見ですが、競技者の間ではELEIKOが人気が高く価格帯も最高級品とされています。また、IVANKOも古くから日本になじみのあるメーカーなので、よく知られるところです。
BULLは上記2メーカーに匹敵する品質ながらも、後発メーカーということもあり、あえて価格を引き下げている戦略をとっているように感じます。
このため、パワーリフティングなど競技専用で使用する用途ならELEIKO、公的なジムなどで非競技者の方の一般トレーニングに使用するのであれば、品質と価格のバランスを考えると圧倒的にBULLがおすすめです。
なお、ELEIKOとBULLのバーベルについては、下記のリンク先から入手が可能です。
●おすすめのBULLのバーベルセット
●おすすめのELEIKOのシャフト&プレート
●IPF規格満たしながらリーズナブルなONI(GLFIT)
▼ONIシャフトを見る
ONIシャフトは、IPF(国際パワーリフティング連盟)のサイズ基準を満たしながら、リーズナブルなパワーリフティング専用バーベルです。
シャフト直径は29mmあるため、パワーリフティング公式大会と同じ感覚で練習することができます。
プレートが通るスリーブには細かい溝を入れており、容易にプレートを着脱できるようになっているだけでなく、自宅や一般ジムでの扱いやすさが考慮され、亜鉛メッキが全体に施されています。
▼GLFITプレートを見る
また、ONIシャフトと併用におすすめなのが、価格が抑えられて高品質なGLFITプレートです。競技大会でも多用されるパワーリフティング公式プレート(エレイコ)と同じカラーが採用されているので、普段の練習でも直感的に素早く重量を組むことが可能です。
表面には高級ラバーコーティング加工、内径もメッキ加工されており、破損や錆びが防止されています。また、5kg以上のプレートは手で持ちやすいグリップホールディングタイプが採用されています。
▼関連記事
ONI パワーリフティングバーは自宅トレーニーにおすすめの29mm径オリンピックシャフト
■実際に使用しているバーベルセットのご紹介
●筆者のジムではONIシャフト+GLFITプレートを採用
筆者の運営するジムでは、主にベンチプレス用としてONIシャフト+GLFITプレートのバーベルセットを採用しています。
こちらは、フルスタックでプレートを取り付けた状態で、シャフト(20kg)にプレート(1.25kg・2.50kg・5.0kg・10.0kg・15.0kg・20.0kg)およびミニプレート(0.25kg・0.5kg)をフル装着していますので、総重量は129.0kgの状態です。
筋トレ初心者の会員の方も、このように初めから高品質のバーベルセットでトレーニングを行ってもらっています。
また、ベンチプレス競技に出場している選手の方々にも、「実際の試合で使用されるバーベルにきわめて近い感覚でトレーニングができる」と好評です。
さらに、ローレット(グリップ部分のギザギザ)が緻密で、グリップしたときに非常にしっくりと「手の平に喰いつく」との感想も多く聞かれます。
なお、GLFITプレートのカラーリングは、パワーリフティング公式プレートEleiko社のパワーリフティングディスクと同じカラーですので重量が見分けが容易、視覚的・直感的に重量を間違えず組めるのも、選手の方々にとっては嬉しいポイントとのことです。
ジム用としてももちろん、ホームジムレベルの家庭用としても筆者のイチオシは50mm径のONIシャフト+GLFITプレートですが、28mm径シャフトも比較したい方は次の項目をご参照ください。
■家庭用のリーズナブルなバーベル
なお、家庭・個人用のリーズナブルなバーベルセットをお探しの方は、下記の筆者の運営する筋トレ専門サイトの普及品バーベル比較一覧をご参照ください。
▼普及品バーベルの比較
BODYMAKER・IROTEC・WILDFIT・Fightingroadのバーベルを見る
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