マシンレッグプレスの効果的なやり方・目的別に適切な重量・負荷・回数設定について、男性・女性の平均的な重さを交えて解説します。
■レッグプレスが効果のある筋肉は?
●レッグプレスは大腿四頭筋・ハムストリングスに効果的
レッグプレスは太もも前側の筋肉である大腿四頭筋を中心として、太もも裏側のハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)に効果的なマシントレーニングで、男性の力強い下半身作りや、女性の下半身痩せに有効です。
■マシンレッグプレスのやり方と効果的なフォーム
レッグプレスは、マシンによって軌道が固定されているため、動作がぶれることもなく、フリーウエイトのスクワットなどより高負荷をかけられるのがメリットです。
一般的な男性の場合、その平均的な使用重量はおよそ体重の二倍で、150kg前後でセットを組むことになりますが、バルクアップかダイエットかで負荷重量と回数設定は異なりますので、詳しくは後述します。
【本種目のやり方とフォームのポイント】
①つま先より上の膝がこないようにシートを調整して構える
②膝を伸ばしてフットプレートを押し上げる
③膝が完全に伸びるまでフットプレートを押し上げたら、ゆっくりと筋肉に負荷をかけながら元に戻る
こちらが、女性がマシンレッグプレスを行っている模範的な動画です。男性と女性でとくにやり方に違いはなく、つま先が膝より上になるように構え、脚を押し出し、ゆっくりと効かせながら戻すのが正しいやり方です。
一般的な女性の場合、平均的な使用重量は体重のおよそ1.5~1.8倍ですので、100kg弱でセットを組んでいきますが、これも正しくは目的別に回数設定をする必要があります。
■マシンレッグプレスの動作注意点とポイント
レッグプレスはマシンのレールが軌道を支えてくれる反面、軌道のズレは全て自分の膝関節にかかります。膝のねじれを防ぐために、つま先が平行になるように構えてください。
また、ウエイトを下ろしてポジションで、相対的に膝がつま先より上に飛び出さないようにシート調整をすることも大切です。
■マシンレッグプレスの目的別の重量負荷設定
筋トレで鍛える骨格筋を構成している筋繊維には以下の三種類があり、それぞれの特徴は次の通りです。
①速筋繊維TYPE2b
約10秒前後の短い時間に爆発的・瞬発的な収縮をする特徴があり、トレーニングにより強く筋肥大します。10回前後の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
②速筋繊維TYPE2a
10~60秒ほどのやや長時間で瞬発的な収縮をする特徴があり、トレーニングによりやや筋肥大します。15回前後の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
③遅筋繊維TYPE1
60秒以上数分・数時間の持続的・持久的な収縮をする特徴があり、トレーニングにより筋肥大せずに筋密度が上がります。20回以上の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
つまり、筋肥大バルクアップ目的なら①、細マッチョ筋トレや女性の部分ボリュームアップ目的なら②、減量引き締めダイエット目的なら③、の負荷回数設定で筋トレを行っていきます。ただし、腹筋郡・前腕筋郡・下腿三頭筋など日常での使用頻度が高い部位は、基本的に20回以上高反復回数で鍛えます。
■マシンレッグプレスの種類やバリエーション
●ハックスクワット
マシンレッグプレスに近い動作ながら、よりフリーウエイトトレーニングに近い感覚で行えるのが、この動画のようなハックスクワットです。本種目は、より大腿四頭筋に負荷を集中させられるという特徴があります。
●リバースハックスクワット
この動画の後半部分に収録されている、ハックマシンに正対して行うリバースハックスクワットは、ハムストリングスから臀部にかけて効果的で、女性のヒップアップトレーニングとしても人気のバリエーションです。
■ハックスクワットにおすすめの筋トレグッズ
●ニースリーブとパワーベルトがおすすめ
マシンレッグプレスはセット中にフォームが崩れてしまうと膝に対して非常に強い負担となります。また、正しいフォームで行ったとしても、深いところまで膝をたたむと、どうしても膝への負担はゼロではありません。
こちらのニースリーブはパワーリフティングの試合でも使用するような非常にサポート力の高いタイプです。自重の二倍相当以上のウエイトによる負荷は想像以上に高いものです。
サポート力の高いニースリーブを着用し、万全の状態でベストなパフォーマンスのトレーニングに臨まれることをおすすめします。
腰を保護するだけでなく、腹圧を高め最大筋力を向上させてくれるトレーニングギアがトレーニングベルトです。バーベル筋トレにおいては、ほぼ必須のギアとも言えますので、ぜひ入手することをおすすめします。なお、トレーニングベルトはトレーニーにとって「筋トレの友」とも言える存在になってきます。はじめから安易なものを選ばずに、考えているよりもワンランク・ツーランク上のものを入手することがベルト選びの秘訣です。
■おすすめの記事
■マシントレーニングの基礎知識
●マシントレーニングの長所と短所
マシントレーニングの多く(ケーブルマシン以外)は、動作軌道がマシンのレール等により支えられているため、ウエイトのブレやズレを気にすることなく効率的に筋肉に負荷をかけられるのがメリットです。
反面、軌道がある程度決まっているため、完全に個人特性に合わせた動作軌道がとれないことや、ブレを止める体幹インナーマッスルが鍛えられにくいという側面があります。
マシントレーニングにダンベルトレーニングやバーベルトレーニングなどのフリーウエイトトレーニングを組み合わせていくのが、中級者以降では必須と言えるでしょう。
なお、他のマシントレーニングメニューについては、下記の種目別解説記事をご参照ください。