ジムでマシンを使って大胸筋を鍛える筋トレ種目のやり方と各種マシンの使い方=鍛え方を解説します。本記事を参照いただければ、パーソナルトレーナーなしでもしっかり効果的に大胸筋を鍛えることが可能です。
■大胸筋の部位分けと作用
●大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部|中部(内側)|下部
起始:鎖骨の内側|胸骨前面第2~第6肋軟骨|腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜
●大胸筋は上部・下部・内側に分けられる
大胸筋はその位置と主な作用により4つの部位に分けられます。それは以下の通りです。
・大胸筋上部:腕を斜め前方に押し出す作用があります。
・大胸筋下部:腕を斜め下方に押し出す作用があります。
・大胸筋内側:腕を前方で閉じる作用があります。
・大胸筋外側:開いた腕を閉じる作用があります。
◆目的別の筋トレ回数負荷設定
ご紹介する各筋トレメニューは、その目的によって以下の回数で限界がくる重量・負荷・速度の設定で行ってください。
○筋肉肥大筋トレ:10回前後の反復回数
○引き締め筋トレ:15回前後の反復回数
○ダイエット筋トレ:20回前後の反復回数
■大胸筋全体のジムマシン筋トレ
●マシンチェストプレス
大胸筋全体に効果があり、大胸筋トレーニングのスタートアップ種目として最初に行いたいのがマシンチェストプレスです。グリップ部分が肩より上にくると肩関節を痛める可能性があるので、かならず椅子はグリップが肩より下にくるように調整してください。
また、軌道が直線的なマシンの場合は、あまり深く肘を引くと肩関節に負担がかかるので、やや浅めの動作を心がけましょう。
【本種目のやり方とコツ】
①バーが肩のラインよりも下になるようにシートの高さを調整する
②シートに座り、肩甲骨を寄せ、バーをグリップして構える
③肩甲骨を寄せたまま、肘を伸ばしてバーを前に押し出す
④バーを押し出したら、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
⑤ゆっくりと筋肉に効かせながら元に戻る
●スミスマシンベンチプレス
フリーウエイトのバーベルベンチプレスに近い感覚で行えるのがスミスマシンベンチプレスです。軌道のブレをマシンが支えてくれるのでフリーウエイトよりも高重量で集中的に大胸筋を追い込むことが可能です。
左右の肩甲骨と臀部の三点で身体を保持し、やや顎を引き気味にプレスするのがポイントです。肩関節の怪我を予防するために、グリップが肩より上(頭寄り)にこないように寝る位置を調整してください。
■大胸筋上部のジムマシン筋トレ
●ローケーブルフライ
大胸筋上部に効果の高いマシン筋トレがケーブルマシンを低い位置から引き上げるローケーブルフライです。グリップは手の平が上を向くリバースグリップで行ってください。
また、肘関節はやや曲げた上体で固定します。肘関節の屈曲を使うと、刺激が上腕二頭筋に逃げてしまうので注意が必要です。
●インクラインスミスマシンプレス
フリーウエイトに近い感覚で大胸筋上部を鍛えることのできるのがスミスマシンインクラインプレスです。
ブリッジを作ると大胸筋上部に効果的な「斜め上に腕を押し出す軌道」が通常のベンチプレスと同じ「前に腕を押し出す軌道」になってしまい、せっかくのインクラインが無駄になりますので、背中はシートにしっかりとつけて動作を行ってください。
■大胸筋下部のジムマシン筋トレ
●ディップマシン
大胸筋下部に効果的なマシン筋トレがディップマシンです。上半身の角度を調整し、「腕を斜め前下方に押し出す」軌道になるようにしてください。重量を追究するあまり、体重を使って腕を斜め後ろ下方に押し出す軌道になると上腕三頭筋のトレーニングになってしまうので注意が必要です。
●ハイケーブルフライ
大胸筋下部に効果的なケーブル筋トレがハイケーブルフライです。フィニッシュポジションで拳同士を密着させ、やや斜め前下方に推す出す動きを加えることで、さらに効果が高まります。
●スミスマシンデクラインプレス
フリーウエイトに近い感覚で大胸筋下部を鍛えることのできるマシン筋トレ種目がスミスマシンデクラインプレスです。前述のインクラインプレスと違い、終盤の数レップでブリッジ気味に腰を浮かせて行うことで効果的に追い込むことが可能です。
■大胸筋外側・内側のジムマシン筋トレ
●マシンチェストフライ
大胸筋外側と内側に効果の高いマシン筋トレ種目がペッグデッキ(マシンチェストフライ)です。
英語の綴りはPecDeckなので、正しくは「ペックデック」ですが国内では一般的に「ペッグデッキ」と呼ばれています。
グリップが肩より上にくる位置だと肩関節を痛めるリスクがありますので、必ずグリップが肩より下にくるようにシートを調整してください。大きく腕を広げた位置で大胸筋外側に、最大に腕を閉じた位置で大胸筋内側に負荷がかかります。
なお、腕を完全に閉じた位置で、左右のグリップを密着させ前に押し出す動作を加えることで大胸筋が最大収縮し、さらに効果が高まります。
●ケーブルフライ
ケーブルフライのグリップと肩の位置関係はペッグデックの場合と同様に「グリップは肩より下」が基本となります。また、フィニッシュポジションで両手を交差(クロスオーバー)させることにより、限界まで大胸筋が収縮するので高い効果が得られます。